この試作について

索引サーバを使わずに、校異源氏物語の TEI/XML を公開する試作です。

何をしているか

校異源氏物語(池田亀鑑『校異源氏物語』(中央公論社)を底本とする TEI/XML)を、54 帖と全体を合わせた 55 件に分けて公開しています。目録に出る情報はチェーン上のメタデータから直接読み、本文は IPFS から取ります。この画面のためのデータベースも索引サーバも置いていません。

底本とライセンス

底本は池田亀鑑『校異源氏物語』(中央公論社)です。TEI/XML は本家サイトで公開されているもので、CC0 1.0 です。読むのに手続きは要りません。

チェーンに載っているもの

Sepolia(イーサリアムのテストネット)に 3 種類のコントラクトを置いています。帖ごとの「公開している役」を表す data NFT、参照 1 回分にあたる datatoken、そして 54 帖ぶんをひとつの値にまとめた root を記録する CorpusAnchor です。それぞれのコントラクトの画面で、Etherscan の表示が何を意味するかを説明しています。

画面の出どころ

画面は Ocean Market(Ocean Protocol)から deltaDAO の Pontus-X Portal、Clio-X を経て移植したものです(Apache-2.0)。見て似せるのではなく、CSS と DOM の構造をそのまま持ってきています。変えたのは 2 点だけです。ルーティング(Pages Router から App Router へ)と、データの取り方(索引サーバ Aquarius ではなく、チェーンと IPFS から直接)です。

全 54 帖をまとめた 1 件

帖ごとの 54 件とは別に、54 帖を 1 つの TEI/XML にまとめたものも公開しています。行数は 25,065 行です。粒度が違うので、帖の一覧には混ぜていません。

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本家サイトのほうが優れていること

ここは本家サイト(校異源氏物語テキストDB)を置き換えるものではありません。全文検索、SPARQL エンドポイント、IIIF による画像との対応づけ、そして表示の速さは、どれも本家のほうが優れています。ここで足しているのは次の 4 つだけです。

  • 版の固定。どの時点の本文を指しているかが、あとから動かせない形で決まります。
  • 引用の記録。参照した事実をチェーンに残せるので、論文の注に取引ハッシュを書けます。
  • 第三者による検証。この画面を信用せず、自分のブラウザで root まで計算し直せます。
  • 帖ごとの参照数。誰がいつ参照したかの記録が、公開者の手を離れたところに残ります。

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入れていないもの

本家にあって、ここに移していない機能があります。対応する実体が無く、移しても空欄になるためです。

  • 出品と編集(公開者はひとりで、画面から出品しません)
  • 購入と価格(本文は CC0 で、売り買いするものがありません)
  • Compute-to-Data(計算を走らせる先を持っていません)
  • プロフィール・ブックマーク・オンボーディング

気をつけること

これは試作で、テストネット上で動いています。root を記録したのは公開者ひとりなので、いまの段階では「公開者が自分で書いた記録」以上のものではありません。独立した第三者が同じ計算をして同じ root を記録して、はじめて意味を持ちます。また、本文が IPFS にあることは「消えない」を意味しません。持ち続ける人がいなければ取れなくなります。